#小説
冬の旅 辻原登著/集英社 物語は主人公の刑務所出所から始まる。 その彼の転落人生を描いた作品。 舞台は大阪のディープゾーン「西成」の他、関西。飛田新地も出てくる。 阪神大震災といった時事ネタも織り込まれ読み応えのある話だ。 が、この本を読んでも…
東京奇譚集 村上春樹著 新潮社刊 「雨天炎天」に続き、こんどは短編小説にチャレンジ。 5編の短編が収められている。 毎日一話ずつ大切に読んだ。 簡単に異次元トリップできる筆力が凄い。 一話目、「偶然の旅人」。 細かい表現までは覚えていないが、 一冊…
雨天炎天 村上春樹著 新潮社刊 最近1年クラシック音楽にハマッてる。 小学校の音楽授業以来、なじめなかったもの。 今までいろんなジャンルの音楽を聴いてきて、 唯一、自分の中に引き出しのない分野がクラシック。 決定的な出会いがなかったのか? 年齢とと…
聖女救済 東野圭吾著 文芸春秋刊 東野圭吾作品を始めて完読。 最初の数ページで嫌気がさしたが、いつもほどではない。 人物関係や人物像を、後へ、後へ、まわすので、 オレのボケた頭じゃ巻頭へ戻って読み返すこと数度。 なんで、こんな書き方すんだろ… それ…
告白 湊かなえ 著 双葉社 ネタバレ有 舞台は中学校。 女性教師の娘が生徒に殺され、その復讐劇が描かれる。 登場人物の視点が章ごとに変わっていくが、 人物描写がしっかりしているのでスンナリ物語に入れる。 作家デビュー作で、元教師というだけあって、現…
永遠とか純愛とか絶対とか 光文社 岩井志麻子著 どこにでもいそうな凡な主人公がアジア女性にハマり身をもちくずしていく。 ありがちな地方都市の風景、あたり前の生活が一瞬にして壊れる。 アジアという作者得意のフィールドで、いつもと違う男目線の短編集…
フロイトのイタリア 岡田温司著 平凡社 ここ何ヶ月か忙しいせいで、本を読む数減少。 iPodで、落語やら浪花節を聞いてるせいもあるが… 唯一記憶に残っている一冊がコレ。 オーストリア生まれで精神分析の大家である彼が、 美術・芸術の宝庫であるイタリアに…
----------------------------(あちらの表紙)------------(日本語版表紙)-------------- 発見!恐竜のミイラ フィリップ・ラーズ・マニング著 日経ナショナルグラフィック社 あまりにストレートなタイトルなので、手に取るのもためらったが、 まじな発掘も…
匿われている深い夢 岩井志麻子著 講談社 オレの短編集の読み方は一日一話。 アラビアンナイトのようだが、そうでないと作品イメージが交錯する。 スカだと次の短編に進む場合もあるが、 たいていの場合、最初でつまずくと読むことをやめる。 次話を読みたい…
17歳 岩井志麻子著 徳間書店 舞台は新宿歌舞伎町。 今風美人の人気エッセイストの主人公が、 巻き込まれるホラー色の強いミステリー。 物語が、主人公のエッセイと並行して進むのが新鮮。 岩井志麻子のテンポある文章がピタリとはまる。 後半にいくにした…
サシウマ勝負 石月正広著 双葉文庫 名前の通りに、競馬にまつわる小説。 舞台は昭和30年代後半、カブトシローの時代からはじまる。 私立高校の三年生の主人公「僕」が、授業中に競馬中継を聴くシーンから始まる。 競馬好きの親父の影響を受けた「僕」は、 同…
天使と悪魔 ヴィジュアル愛蔵版 ダン・ブラウン著 越前敏弥訳 角川書店 仕事が忙しかったせいもあって、一気読みはできなかったが、 毎日こつこつと読んでいて、後半は6時間かけてドカンと読み抜いた。 ダン・ブラウンがダ・ヴィンチ・コードの3年前に書い…
数学的にありえない アダム・ファウアー著 矢口 誠 訳 文藝春秋社 ちょうど仕事がオフだったので、 上下巻合わせて600P、一気に読みきってしまった。 風呂でボーっとして、ビール一杯。 心地よい読後状態で、これを書いている。 目が疲れていないのが不…
坊っちゃん/夏目漱石 道後温泉がらみの仕事が入りそうなので、「坊っちゃん」を読んだ。 中学ぐらいが初読だと思うのだがハッキリしない。 内容は忘れても、夏休みの課題図書だったことだけは覚えているから不思議だ。 図書館で手にとったら、借りてくるの…
赤い指 東野圭吾/講談社 リタイア3連発の3本目。 著名作家の本だ。 この人の本は何冊か読んだことがあるはずなのだが、 一冊も記憶にない。 (俺にとっては恒常的なことなので、ファンの方ごめんなさい) 1p目、数えるとわずか11行なのだが、 まったく…
ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー 山田詠美著/角川書店 リタイア3連発の2本目。 この本は直木賞受賞作(とはいってももう20年近く昔)。 たまたまNHKの番組で取り上げていたので借りてみた。 (編集者と作家の密な関係を描いた番組だった) …
「去年ルノアールで」 せきしろ著/講談社 リタイア3連発・その一発目! 俺の読書スタイルは一気読み。 短編集や大作は別だが、ほとんどの場合、一晩で読む。 そのため、かなりパワーと持久力を要する。 結果、最後までたどり着く本は半分にも満たない。 残…
砂漠の薔薇 新堂冬樹著/幻冬舎 ネタバレ少し有 冒頭から子供を埋めるシーンからスタート。 おぅおぅ、チャレンジャーだな新堂はいつも…という書きだし。 ストーリーは「お受験」を軸にした、 一人の屈折した女性の幼少期からのお話。 世の中にあまたある子…
無痛 久坂部羊著/幻冬舎 ネタバレ有 医師が書いてる病院サスペンス。 生きてる人間解剖しちゃうような怖~いシーンがあるので、 スプラッター系サスペンスといってもいいのかも。 ぶ厚いのでゆっくり読もうと思っていたのだけど、一晩で読んでしまった。 筆…
ヘルメットをかぶった君に会いたい 鴻上尚史/著 集英社 ネタバレ有 図書館で何気なく手にした本は、確かに小説の棚にあった。 ところが、ところが、ここがポイントなのだが、 2~3日間、読まずにテーブルに積んでいただけで、 そのことをすっかり忘れてし…
無傷の愛 岩井志麻子/著 双葉社 「ぼっけえ、きょうてい」を読んだ時の衝撃から5年以上が経つ。 ホラー大賞を受賞していたことと、その妙なタイトルから手にした本だったが、 数行読み進んだだけで、岩井志麻子の描くおどろおどろしい世界の虜になってしま…
毒蟲vs.溝鼠 新堂冬樹/著 (どくむしvs.どぶねずみ) 新堂冬樹の代表作「溝鼠」の続編。 今回は虫使いの毒蟲が、主人公の溝鼠(鷹場英一)と対決する。 毒蟲の放つ毒サソリ、大ムカデ、タランチョラが、 生殖器に絡みついたり、食い荒らしたりするん…
「黒い太陽」 新堂冬樹著 お得意のドロドロとした暴力・SEX描写はなし。 (とはいっても主人公は性感ヘルスに行ってメロメロになるのだが) キャバクラを舞台に、風俗業界で成り上がっていく主人公の立花と、 敵役となる風俗王の藤堂との、男同士の戦いは最…