サシウマ勝負/石月正広

サシウマ勝負 石月正広著 双葉文庫

名前の通りに、競馬にまつわる小説。
舞台は昭和30年代後半、カブトシローの時代からはじまる。
私立高校の三年生の主人公「僕」が、授業中に競馬中継を聴くシーンから始まる。

競馬好きの親父の影響を受けた「僕」は、
同級生に競馬を教え、ノミ行為でおこずかいを稼ぎ、
その資金をもとに競馬場で勝負する。

やがて卒業し、競馬で食っていこうと決めた「僕」は、
競馬狂の集まる居酒屋に出入りするようになり、
クライマックスは競馬場で壮絶なサシウマ勝負をする。

ざっとこんなストーリー。
リアルな体験のないオレにも、
名前だけを知っている著名馬の部分は興味津々。

見せ場となる後半は、今でいう条件戦でのサシウマ勝負。
集団サシウマと個人対個人のサシウマで、
着順によりレートが跳ね上がるオリジナルルールでの戦いは、
漫画の「カイジ」のよう。
勝者と敗者が一瞬にして決まることもある。
負け続けても、少額ならシノいで次のレースに繋がる…

競馬場を舞台にしたギャンブル小説。
自分と重なる部分が少しでもあればいい。
ターフを去っていった馬や人、その時代のことを、
少しでも書き残してあれば、オレにはOK。

★☆(次も読みたいので☆プラス)