マルホランド・ドライブ


主演:ナオミ・ワッツ 監督:デビッド・リンチ

注:ネタバレ有


いや~、とんでもない映画ですね(褒め言葉)。
観客を欺く「どんでん返し」のある映画って、
見終わった後では、その映画に対する興味そのものは半減する。
ビックリ箱に驚くのは最初だけ、が通り相場で、
1回ポッキリのエンタメを楽しむのが普通。

ところが、この映画は2度見ることを要求する。

とくに予備知識もなく、この映画を見た。
デビッドリンチで、TSUTAYAのおススメコーナーにあったから。
ツインピークスにハマッた過去がある俺。
手に取るのは当然のなりゆき。

約140分と、長めの映画なのだが、
謎めいたストーリーとD・リンチの映像にズルズルと引き込まれる。
途中、意味不明のところや、こいつは誰?という箇所が数多くあったが、
深く考えている「時間」もないので、
どっぷりと身をまかせた。

途中、大きな「仕掛け」の荒業に驚く。

なんと、映画の8割がたを占める前半部が、
主人公のひとりダイアンの夢世界(のようなもの)なのだ。
複雑な要素がからみあっている割には、物語の大枠は理解しやすく、
初見で、それなりの満腹感。

でも、矛盾を感じたところや、意味不明だったところが数多くあるため、
結局のところ、もう1度最初から見るしかなくなってしまう。

なんちゅう映画じゃ2回でトータル280分。
それでも飽きないのはナゼ?

常に死の匂いのする世界感。
こちらの世界とあちらの世界、根源的な不安。
答えなどない。

★★★(現実世界の夢-ハリウッドも絡んで、好きだな~この映画)