巧妙が辻(TV)

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写真は長浜城
偶然にも仕事で長浜に宿泊、早起きしての写真(12月初旬)。

巧妙が辻(TV)

生まれて初めて大河ドラマというのを第一話から通して最後までみた。
たいていの場合、第一話を見て、あっ、もういいやと思うことがほとんど。
前作のタッキー義経も、一話目だけ。

で、巧妙が辻
後半は何度かダレつつも、なんとか完走。
最終話までなんとかたどり着いたのは、
信長の館、秀吉の柄本、家康の西田の配役だろう。
中でも舘ひろし-信長のエキセントリックな演技は冴えまくっていた。
からむ秀吉の柄本明はいつでもどこでも安定した名演だし、西田家康もなかなか。
明智光秀坂東三津五郎足利義明三谷幸喜もよかった。

物語は山内一豊とその妻、千代の立身出世の話だが、
史実にも目をそむけず重きをおいていている点がよかった。
残虐と言うしかない比叡山での惨殺や、高知での一領具足に対する虐殺。
戦乱の世、「天下泰平」と「家の存亡」のためとはいえ、殺す、殺す。
けっこう考えさせられたね、マジで。

歴史は勝者によって作られていくこと、少なくとも敗者に未来を作る力はない。
ただ、勝者だけに都合よい歴史物語は、ただの絵巻物だ。
敗れ去っていくものをどう表現するかがドラマとして大事なのだろう。
千代のキャラを基本的に「反戦・反殺生」としたことで筋が通った。
戦乱の世に「そんなのありか?」なのだが、それがなければこの物語は成立しない。
例え、千代の人間性が事実でなかったとしても、
ひとつの大きな嘘=想像力がドラマを動かす。

ダメダメな点も少々。
安易なバラエティタレントの起用。
視聴率のためのキャスティングなのだろう、そのセコさには腹が立つ。
台詞も満足に言えないなら、現場で帰ってもらえよ。

秀吉が死んだ以降の最終ステージは、キャラクターの駒不足。
主要人物が消えていくのは仕方がないが、
そのためか一豊と千代のからみが多くて、さすがにしょっぱい。

★★(ビデオしなからも1年間はじめての完走だよ)