風林火山

風林火山
主演:内野聖陽 市川亀治郎 ガクト

前作、「巧妙が辻」で大河初完走を果たしたので、見始めたのは1年前。
欠かさず最後まで見たが、回を重ねるごとに興味が減速。
最終回までたどり着いたのは、後半登場したガクトのおかげ。

オレはミュージシャン「ガクト」のファンじゃないし、
出演前は、「謙信役とは違和感あるなぁ、平気かよ?」ぐらい思っていたが、
驚くほどの存在感で、立ち振る舞いもカッコ良かった。

ガクトの登場までを前半とするなら、その前半部は亀治郎の演技に引っ張られた。
目線の座った顔芸は歌舞伎役者ならでは。
ところが後半では、その亀治郎の演じる信玄が人として壊れていく展開。
史実の描き方が半端なせいだろう、イカれる過程が伝わってこない。
信玄の非道な行いを描かなくては説得力不足。
壊れた部分だけを演技で見せられても引くだけだ。

せっかく亀治郎の信玄を思い入れ深く見ていたのに、
「良い人」は謙信の演ずるガクト。見ているオレの心情が混乱する。

もともと、このお話の主人公は内野が演じる山本勘助だから、
そこに感情移入でもしていればそうは感じないはず。
結局のところ勘助を魅力的な人物に描けていないからの混乱か…

勘助はイカレタ武将を盲目的に追従する参謀で生涯を終わってしまった。
諏訪の姫様への「忍ぶ恋」ばかりが強調されるのも反吐がでた。
どうせ勘助の人物像は創作なのだから、もう少しなんとかならないものか?
最終回、川中島で死ぬシーンから、首を持ち帰るところなんぞ、
笑うだけで絶対泣けぬ。おおげさにもホドがある。
もう、大河はこりごり。篤姫はお休み。

★(紅白のガクトもカッコよかった)